変電

調相設備について

調相設備とは

調相設備は、無効電力潮流を改善することにより送電線損失を軽減するとともに送電容量を確保し系統電圧を適正に維持することを目的として設置される

調整設備設置の目的

・系統電圧の維持

・力率改善による電力損失の低減

・送電容量の確保

・系統の安定度向上

調相設備の種類

調相設備は電力用コンデンサ分路リアクトル静止型無効電力補償装置(SVC)同期調相機の4つであり、負荷と並列に接続する

無効電力を消費する負荷そのものと、送電無効電力損失を生じさせる送電線リアクタンスにできる限り近い地点に調相設備を設置する

電力用コンデンサ

電力用進相コンデンサ
出典:株式会社イプロス

日中などの重負荷時に進相無効電力を消費(遅相無効電力を供給)し、送配電系統の力率を改善して送電損失の低減を図るとともに、系統電圧の低下を抑制する

分路リアクトル

 休日や深夜などの軽負荷時に投入して遅相無効電力を消費(進相無効電力を供給)し、配電系統の力率を改善して送電損失の低減を図るとともに、系統電圧の上昇を抑制する

分路リアクトルは二次巻線を有しない変圧器ともいえる

静止型無効電力補償装置(SVC)

電力用コンデンサと分路リアクトるの並列回路に半導体スイッチ(サイリスタ)を接続して、調相容量を進相から遅相まで連続的に制御する

同期調相機

無負荷で運転する同期発電機。同期発電機の界磁電流を増やすと進み力率になり、界磁電流を減らすと遅れ力率になる

調相容量の調整は連続的に制御することができる

経済性、運転・保守の面で電力用コンデンサや分路リアクトルに劣るため近年ではほとんど採用されない

まとめ

種類調整段階電力損失電力調整能力特徴
同期調相機連続同期調相機の界磁電流を変化させて
連続的に調整する
力率を進める・遅らせるどちらも可能
電力用コンデンサ段階的重負荷時に使用
力率を進める
分路リアクトル段階的軽負荷時に使用
力率を遅らせる
静止型無効電力補償装置(SVC)連続サイリスタにより
高度な制御が可能
力率を進める・遅らせるどちらも可能
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もち

メーカーで電気主任技術者やってます。1993年生まれ。保有資格:第三種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、エネルギー管理士、ガス主任技術者(甲種)、第二種電気工事士 お問い合わせは↓より

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