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水力発電設備

水力発電所の種類

水力発電は、発電の一方式であり、水力で発電機を動かし、電力を生む方式のひとつである。

水路式、ダム式、ダム水路式などがある。

水力発電の種類説明
①水路式発電所自然河川の勾配から、落差を得る方法
②ダム式発電所ダムを築いて、落差を得る方式
③ダム水路式発電所①②の両方で、落差を得る方式

水路式発電所

出典:ウィキペディア

発電所から見て上流に取水ダムを設けて水を取りいれ、河川のこう配により落差を得るもの。多くは流れ込み式で、落差の変動はほとんどない。

沈砂池は水路式発電所に必要な設備

取水ダム:河川の水をせきとめる
取水口:河川の水を取り入れて水路に導く
ヘッドタンク:流量の調整をする

試験のポイント

・発電までの流れをイメージできるようにしておく。

 水の流れ:ダム→取水口→沈砂池→水路→水槽(ヘッドタンク)→水圧管路→発電所→放水路→放水口

・沈砂池が必要

・ヘッドタンクは水路と水圧管の間に接続される

ダム式発電所

出典:ウィキペディア

河川内にダムを設けて貯水し、ダムの上流側の貯水位を上げることで、そこで生ずる落差を利用して発電する。

取水中の土砂は取水口で取り除くことができるため、沈砂池を必要としない。

重力ダム

出典:東京電力リニューアブルパワー

【特徴】
・構造が簡単
・安定性が良い
・日本で主流のダム構造

アーチダム

出典:東京電力リニューアブルパワー

【特徴】
・岩盤でコンクリート部分を支える
・岩盤は丈夫である必要がある

ロックフィルダム

出典:東京電力リニューアブルパワー

【特徴】
・非常に大きいダムになる
・岩石で土質遮水槽と中間層を支える

試験のポイント

発電までの流れをイメージできるようにしておく。

水の流れ:ダム→取水口→水圧管路→発電所→放水路→放水口

ダムの種類の特徴を覚えておく。

ダム水路式発電所

出典:ウィキペディア

ダムと水路の両方により落差を得て発電する方式

発電所負荷の変動により水車の使用水量が増減する場合、その水圧変動を抑制するとともに新しい負荷の流量に速やかに平衡させる機能を持つ
サージタンクが必要になる。

このため、ダム水路式の導水路は圧力トンネル(圧力水路)となる。

水撃作用とサージタンク

管路の中に水が充満して流れているときに、その管路に設けられた弁が急に遮断するなどし、水の速さが急激に変化すると、

水の運動エネルギーが圧力エネルギーに変化して、管内に圧力上昇が生じる。

この結果水圧管が破損することがある、これを水撃作用という。

サージタンクは、流量が急変した場合に起こる圧力の変動による圧力トンネルおよび水圧管内の水圧の変化を軽減し、水撃作用による水圧管の破損を防止する。

試験のポイント

・発電までの流れをイメージできるようにしておく。

 水の流れ:ダム→取水口→導水路→サージタンク→水圧管路→発電所→放水路→放水口

・圧力トンネルとサージタンクがある。

・水撃作用の発生原因と軽減策を理解する

・サージタンクは圧力トンネルと水圧管の間に接続される

運用上の分類

流れ込み式発電所

河川の流量を調整する池を持たない発電所。発電所の出力は河川の自然流量に応じて発電し、任意での出力調整は難しい。総電力需要のうちベース部分をまかなう。比較的小規模なものが多い。

調整池式発電所

日間・週間の負荷変動に応じて河川の流量を調整する調整池を持つ発電所。需要の少ない軽負荷時に出力を落として貯水し、需要の多い重負荷時の発電運転に備えるもの。総電力需要のうちピーク部分をまかなう。年間流量に比較して中小規模な貯水量を有するダムを伴う。

貯水池式発電所

河川流量の季節的な変動を超せできる容量の貯水池を持つ発電所。豊水期に貯水し、渇水期でも安定した発電ができるだけの水量を確保する。調整池式が日間・週間の負荷変動であるのに対し、季節間の調整を行う。総電力需要のうちピーク部分をまかなう。

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もち

メーカーで電気主任技術者やってます。1993年生まれ。保有資格:第三種電気主任技術者、第二種電気主任技術者、エネルギー管理士、ガス主任技術者(甲種)、第二種電気工事士 お問い合わせは↓より

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