もくじ
問.1 難易度★★☆


解答
答(5)
発電出力\(P_G\)は
\(P_G=9.8×Q_G×H_0×(1-h_G)×0.87\)
\(=9.8×60×400×(1-0.03)×0.87\)
\(\color{red}{=198500[kW]}\)
揚水入力\(P_P\)は
\(P_P=\frac{9.8×Q_P×H_0×(1-h_P)}{0.85}\)
\(=\frac{9.8×50×400×(1-0.030}{0.85}\)
\(\color{red}{=237500[kW]}\)
発電で使用した水量\(Q_1\)は
\(Q_1=60×8×3600\)
\(=1728000[m^3]\)
\(Q_1を揚水するのに必要な時間T_1\)は
\(T_1=\frac{1728000}{3600×50}\)
\(\color{red}{=9.6[h]}\)
総合効率ηは
\(η=\frac{1-h_G}{1+h_P}η_Gη_Tη_Mη_P\)
\(=\frac{1-0.03}{1+0.03}0.87×0.85\)
\(\color{red}{=0.696=69.9[%]}\)
問.2 難易度★★☆


解答
答(1)
水力発電所に用いられる水車発電機は直結する水車の特性からその回転速度は概ね100min^-1~1200^-1とタービン発電機に比べ低速である。
したがって、商用周波数50/60Hzを発生させるために磁極を多く取れる突極機を用い、
大形機では据付面積が小さく落差を有効に使用できる立軸形が用いられることが多い。
タービン発電機に比べ、直径が大きく軸方向の長さが短い。
一方、火力発電所に用いられるタービン発電機は原動機である蒸気タービンと直結し、
回転速度が水車に比べ非常に高速なため2極機または4極機が用いられ、大きな遠心力に耐えるように、
直径が小さく軸方向に長い横軸形の円筒機を採用し、その回転子の軸及び鉄心は一体の鍛造軸材で作られる。
水車発電機は、電力系統の安定度の面及び負荷遮断時の速度変動を抑える点から発電機の経済設計以上のはずみ車効果を要求される場合が多く、
回転子直径がより大きくなり、鉄心の鉄量が多い、いわゆる鉄機械となる。
一方、タービン発電機は、上述の構造のため界磁巻線を施す場所が制約され、大きな出力を得るためには電機子巻線の導体数が多い、
すなわち銅量が多い、いわゆる銅機械となる。
鉄機械は、体格が大きく重量が重く高価になるが、短絡比が大きく、同期インピーダンスが小さくなり、電圧変動率が小さく、
安定度が高く、線路充電容量が大きくなるといった利点をもつ
問.3 難易度★☆☆

解答
答(2)
節炭器は煙道ガスの予熱を利用してボイラ給水を予熱する装置
節炭器出口の給水温度は、節炭器内で蒸発が起こらないように、飽和温度より少し低めに設定される。
問.4 難易度★★☆


解答
答(1)
天然ウランには主に質量数235と238の同位体があるが、原子力発電所の燃料として有用な核分裂性物質のウラン235の割合は
全体の0.7%程度にすぎない。
そこで、採鉱されたウラン鉱石は製錬、転換されたのち、遠心分離違法などによって、ウラン235の濃度が軽水炉での利用に適した値になるように濃縮される。
その濃度は3~5%程度である。さらに、その後、再転換、加工され、原子力発電所の燃料となる。
原子力発電所から取り出された使用済燃料からは、再処理によってウラン、プルトニウムが分離抽出され、
これらは再び燃料として使用することができる。
プルトニウムはウラン238から派生する核分裂性物質であり、ウランとプルトニウムを混合したMOX燃料を軽水炉の燃料として用いることをプルマーサルという。
また、軽水炉の転換比は0.6程度であるが、高速中性子によるウラン238のプルトニウムの変換を利用した高速増殖炉では、消費される核分裂性物質よりも多くの量の核分裂性物質を得ることができる。
問.5 難易度★★☆

解答
答(4)
空気密度を\(ρ[kg/m^3]\)
風車の回転面積を\(A[m^2]\)
風速を\(V[m/s]\)
風車の出力係数を\(C_P\)とすると
風車で得られるエネルギー\(P\)は
\(P=\frac{1}{2}C_PρAV^3[W]\)
よって風力発電で取り出される電力は、風速の3乗に比例する
問.6 難易度★★☆

解答
答(2)
まず、パーセントインピーダンスの基準容量を合わせる。
\(%Z_B=7.5%を基準容量5000kV・Aに変換すると\)
\(%Z_B=7.5×\frac{5000}{1500}=25[%]\)
各変圧器が負担する負荷\(P_A,P_B\)は
\(P_A=\frac{25}{25+9}×6000=4412[kV・A]\)・・・①
\(P_B=\frac{9}{25+9}×6000=1588[KV・A]\)・・・②
①②より、変圧器Bの定格容量は1500kV・Aであるから変圧器Bが過負荷になる。
過負荷運転状況は下記の通り
\(\frac{1588}{1500}=1.058\)
\(\color{red}{=105.9[%]}\)
問.7 難易度★★☆

解答
答(5)
直流は電流零点がないため、交流電流に比べて遮断が難しい
問.8 難易度★★☆


解答
答(1)
架空送電線路と通信線路とが長距離にわたって接近交差していると、通信線路に対して電圧が誘導され、
通信設備やその取扱者に危害を及ぼすなどの障害が生じる場合がある。この障害を誘導障害と言い、次の2種類がある。
①架空送電線路の電圧によって、架空送電線路と通線線路間のキャパシタンスを介して通信線路に誘導電圧を発生させる静電誘導障害。
②架空送電線路の電流によって、架空送電線路と通信線路間の相互インダクタンスを介して通信線路に誘導電圧を発生させる電磁誘導障害
架空送電線路が十分にねん架されていれば、通常は、架空送電線路の電圧や電流によって通信線路に現れる誘導電圧はほぼ0Vとなるが、
架空送電線路で地絡事故が発生すると、電圧及び電流は不平衡になり、通信線路に誘導電圧が生じ、誘導障害が生じる場合がある。
例えば、一線地絡事故に伴う電磁誘導障害の場合、電源周波数をf、地絡電流の大きさをI、単位長さあたりの架空送電線路と
通信線路間の相互インダクタンスをM、架空送電線路と通信線路との並行区間長をLとした時に、通信線路に生じる誘導電圧の大きさは2πfMLIで与えられる。
問.9 難易度★★☆

解答
答(3)
題意より送電線路の抵抗、リアクタンスは
\(R=0.182×5=0.91[Ω]\)
\(X=0.355×5=1.775[Ω]\)
三相3線式送電線の電圧降下vは下記式で表される。
\(v=V_S-V_R=\sqrt{3}I8(rLcosθ+xLsinθ)\)
線路電流\(I\)は
\(I=\frac{V_S-V_R}{\sqrt{3}(rLcosθ+xLsinθ)}\)
\(=\frac{22200-22000}{\sqrt{3}(0.91×0.85+1.78×0.52)}\)
\(=\frac{200}{\sqrt{3}×1.7085}A\)
よって、負荷の有効電力Pは
\(P=\sqrt{3}V_RIcosθ\)
\(=\sqrt{3}×22000×I×0.85\)
\(\color{red}{≒2189[kW]}\)
問.10 難易度★★☆

解答
答(5)
問.11 難易度★★☆

解答
答(4)
(d)
地中配電線路にはガス開閉器が多く採用されている
(e)
供給用配電箱内にはケーブルヘッド、断路器、母線などを収納する。
変圧器は収納されていない。
問.12 難易度★☆☆


解答
答(3)
放射状方向は、配電用変圧器ごとに低圧幹線を引き出す方式で、構成が簡単で保守が容易なことから我が国では最も多く用いられている。
バンキング方式は、同一の特別高圧または高圧幹線に接続されている2台以上の配電用変圧器の二次側を低圧幹線で並列に接続する方式で、
低圧幹線の電圧降下、電力損失を減少でき、需要の増加に対し融通性がある。
しかし、低圧側に事故が生じ、1台の変圧器が使用できなくなった場合、他の変圧器が過負荷となり
ヒューズが次々と切れ広範囲に停電を引き起こすブラックアウトという現象を起こす可能性がある。
この現象を防止するためには、連系箇所に設ける区分ヒューズの動作時間が変圧器一次側に設けれれる高圧カットアウトヒューズの動作時間より短くなるよう保護強調をとる必要がある
問.13 難易度★★★

解答
答(1)
経路F-Aを流れる電流を\(I_1\)、F-Cを流れる電流を\(I_2\)とする
題意よりそれぞれのこう長の抵抗は下図の通り

経路F-A-B間の電圧降下は
\(V_F-V_B=2{(0.03I_1+0.12(I_1-60)}\)
\(11=2{(0.03I_1+0.12(I_1-60)}\)
\(I_1=84.7[A]\)
経路F-C-B間の電圧降下は
\(V_F-V_B=2{(0.06I_2+0.09(I_2-80)}\)
\(11=2{(0.06I_2+0.09(I_2-80)}\)
\(I_2=84.7\)
以上より、B点の負荷電流Iは
\(\color{red}{I=(I_1-60)+(I_2-80)=29.3[A]}\)
問.14 難易度★★☆

解答
答(4)
鋼心アルミより線は中心に亜鉛メッキ鋼より線、その周囲に硬アルミ線をより合わせた電線である。
問.15 難易度★★★


解答
答(a)-(3) ,(b)-(5)
(a)
タービンの効率\(η_t\)は
\(η_t=\frac{3600P_T}{(i_C-i_D)Z}\)
\(=\frac{3600×18×10^3}{(3380-2560)×100×10^3}\)
\(\color{red}{≒79.02[%]}\)
(b)
\(発電端電力P_G、所内電力をP_Lとすると、送電電力P_Sは、\)
\(P_S=P_G-P_L\)
また所内率は、
\(\frac{P_L}{P_G}\)
よって、送電端電力\(P_S\)は
\(P_S=P_G-P_L=P_G(1-L)\)
\(P_G=\frac{P_S}{1-L}\)
発電機効率\(η_g\)は
\(η_g=\frac{\frac{P_S}{1-L}}{P_T}=0.9356\)
\(\color{red}{=93.56[%]}\)
問.16 難易度★★★


解答
答(a)-(1),(b)-(2)
(a)
1線地絡時の等価回路は下図の通り

図より、地絡電流\(I_g\)は
\(I_g=\frac{\frac{V}{\sqrt{3}}}{R_g+R}\)
\(=\frac{\frac{66×10^3}{\sqrt{3}}}{100+300}\)
\(\color{red}{=95.3[A]}\)
(b)
A点から電源側をみた合成パーセントインピーダンス%Zは
\(%Z=25+10+5=40[%]\)
基準電流\(I_B\)は
\(I_B=\frac{P_B}{\sqrt{3}V_B}\)
よって、三相短絡電流\(I_S\)は
\(I_S=\frac{100}{%Z}I_B=\frac{100}{%Z}・\frac{P_B}{\sqrt{3}V_B}\)
\(=\frac{100}{40}×\frac{10000×10^3}{\sqrt{3}×66×10^3}\)
\(\color{red}{=218.7[A]}\)
問.17 難易度★★☆


解答
答(a)-(1), (b)-(1)
(a)
バランサを接続したときの電流の流れは下図の通り

よって、a'-b'を流れる電流は\(\color{red}{5[A]}\)
(b)
バランサ接続後の線路損失\(p_1\)は
\(P_1=2×25^2×0.1\)
\(=125[W]\)・・・①
バランサ殺族前の電流の流れは下図の通り

バランサ接続前の線路損失\(p_2\)は
\(p_2=0.1×30^2+0.15×10^2+0.1×20^2\)
\(=145[W]\)・・・②
②-①より、線路損失の変化量は
\(\color{red}{Δp=145-125=20[W]}\)
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