【2014年】平成26年度試験 理論

問.1 難易度★★☆

解説

題意は下図の通り

ここで\(C_1,C_2の静電容量は\)

\(C_1=\frac{ε_0ε_rA}{d_1}=\frac{4ε_0A}{d}\)

\(C_2=\frac{ε_0ε_rA}{d_2}=\frac{8ε_0A}{d}=2C_1\)・・・①

2つのコンデンサが直列状態のとき、蓄えられる電荷は同じ

\(C_1V_1=C_2V_2\)

①より

\(C_1V_1=2C_1V_2\)

\(V_1=2V_2\)

以上より

\(V_1=\frac{2}{3}V_0\)

\(V_2=\frac{1}{3}V_0\)

導体の電位\(V\)は\(C_2\)の分圧であるから

\(\color{red}{V=\frac{1}{3}V_0}\)

問.2 難易度★☆☆

解説

上図のように負に帯電した帯電体Aを帯電していない導体Bに近づけると、

導体Bの帯電体Aに近い側の表面C付近にの電荷が現れ、

それと反対側の表面d付近にの電荷が現れる

この現象を静電誘導という

問.3 難易度★☆☆

解説

(1)◯

磁気回路の磁気抵抗は下図で表される

\(R=\frac{l}{μS}[H^{-1}]\)・・・①

よって正しい


(2)◯
①式より正しい

(3)◯
①式より正しい


(4)◯

磁気回路の オームの法則より

\(NI=Rφ\)

よって正しい


(5)×

磁気回路の オームの法則より

\(NI=Rφ\)

電気回路のオームの法則は

\(V=RI\)

よって起磁力に対応するのは電流でなく起電力

問.4 難易度★★☆

解説

直線状導体に流れる電流が作る磁界の大きさ\(H\)は

\(H=\frac{I}{2πr}

題意の直線状導体A,Bが作る磁界は

\(y=\frac{I_x}{I_y}x\)の位置で互いに打ち消しあい、零になる

問.5 難易度★★☆

解説

重ね合わせの理を使う

①10V電源を切り離した回路を考える

並列回路の合成静電容量は

\(C_2=20+10=30\)

このとき、\(C_2\)に印加される電圧は

\(V_2=\frac{10}{30+10}×20=5[V]\)・・・①


次に
②20V電源を切り離した回路を考える

並列回路の合成静電容量は

\(C_1=20+10=30\)

このとき\(C_1\)に印加される電圧は

\(V_1=\frac{10}{30+10}×10=2.5[V]\)

a点から見たb点の電圧\(V_ab\)に対して、\(V_1\)は逆向きなので

\(V_1=-2.5[V]\)・・・②

①②より

\(\color{red}{V_ab=V_1+V_2=5-2.5=2.5[V]}\)

問.6 難易度★★☆

解説

題意の電流比より

\(2I_1=I_2\)

上記の割合で分流することから

\(2R_1=R_2\)が成り立つ

回路の合成抵抗\(R\)は

\(R=100+\frac{R_1×\frac{1}{2}R_1}{R_1+\frac{1}{2}R_1}+100\)

 \(=200+\frac{1}{3}R_1\)

オームの法則より

\(10=(200+\frac{1}{3}R_1)×0.01\)

\(1000=200+\frac{1}{3}R_1\)

\(800=\frac{1}{3}R_1\)

\(R_1=2400\)

問.7 難易度★☆☆

解説

並列回路の合成抵抗は\(R_{23}\)

\(R_{23}=\frac{10×15}{10+15}=6[Ω]\)

上図より、それぞれの分圧\(V_1,V_2\)は

\(V_1=\frac{5}{5+6}×2=\frac{10}{11}V\)

\(V_2=\frac{6}{5+6}×2=\frac{12}{11}V\)

消費電力\(P=\frac{V^2}{R}\)で表されるから

抵抗\(R_1\)で消費される電力\(P_1\)は

\(P_1=\frac{V_1^2}{R_1}=\frac{1}{5}×(\frac{10}{11})^2\)・・・①

抵抗\(R_3\)で消費される電力\(P_3\)は

\P_3=\frac{V_2^2}{R_3}=\frac{1}{15}×(\frac{12}{11})^2\)・・・②

①②より

\(\frac{P_1}{P_2}=\frac{\frac{1}{5}×(\frac{10}{11})^2}{\frac{1}{15}×(\frac{12}{11})^2}\)

 \(=3×\frac{10^2}{12^2}\)

 \(\color{red}{≒2.1倍}\)

問.8 難易度★★☆

解説

負荷側のアドミタンス\(\dot{Y}\)は

\(\dot{Y}=jωC+\frac{1}{R+jωL}\)

 \(=jωC+\frac{R-jωL}{R^2+(ωL)^2}\

 \(=\frac{R}{R^2+(ωL)^2+jω(C-\frac{L}{R^2+(ωL)^2})\)・・・①

題意より、\(\dot{Y}\)が最小となるとき、流れる電流\(I\)が最小になる

これは①式の虚数部が0になるときである

\(C-\frac{L}{R^2+(ωL)^2}=0\)

 \(C=\frac{1}{100^2+(2π×50×1)^2}\)

 \(=\frac{1}{100^2+314^2}\)

 \(\color{red}{≒9.21[μF]}\)

問.9 難易度★★☆

解説

回路Aの共振周波数\(f_{A}\)は

\(2πf_{A}L=\frac{1}{2πf_{A}C}\)

\(f_{A}=\frac{1}{2π\sqrt{LC}}\)・・・①

回路Bの共振周波数\(f_B\)は

\(2πf_{B}2L=\frac{1}{2πf_{B}C}\)

\(f_{B}=\frac{1}{2π\sqrt{2LC}}\)・・・②

回路Aと回路Bの直列回路の合成静電容量\(C_{AB}\)は

\(C_{AB}=\frac{C×C}{C+C}=\frac{1}{2}C\)

合成インダクタンス\(L_{AB}\)は

\( L_{AB}=L+2L=3L\)

よって共振周波数\(f_{AB}\)は

\(f_{AB}=\frac{1}{2π\sqrt{3L×\frac{1}{2}C}}=\frac{1}{2π\sqrt{\frac{3}{2}LC}}\)・・・③

①②③より

\(\color{red}{f_A<f_{AB}<f_A}\)



問.10 難易度★★☆

解説

(1)○
正しい

(2)○

\(e=100sin100πtより\)

\(2πf=100π\)

 \(f=50[Hz]\)

ここで、

\(T=\frac{1}{f}=\frac{1}{50}\)

 \(\color{red}{0.02s=20[ms]}\)


(3)○
正しい

(4)○
正しい

(5)×

下図より

\(\color{red}{cosθ=\frac{Z}{R}}\)

問.11 難易度★★☆

解説

\(t=t_1\)でスイッチSを閉じたときの回路図は下図の通り

コンデンサの充電が完了すると、端子電圧はE[V]となる

次に、\(t=t_2\)のときの回路図は下図の通り

電荷の[+]と[-]が入れ替わり、コンデンサの端子電圧\(V=-E\)となる

よって解は(5)

問.12 難易度★★☆

解説

(1)○

(2)○

(3)○

(4)×

定電圧ダイオードは逆方向電圧を増していくとある一定の電圧を超えたとき急激に電流が流れる

この領域では電流の大きさにかかわらず両端の電圧はほぼ一定に保たれる。

定電圧ダイオードはこの特性を利用している

(5)○

問.13 難易度★☆☆

解説

点a,bは仮想短絡状態

\(V_a=5[V]\)

流れる電流\(I\)は

\(V_a-V_{in}=20k×I\)

\(I=\frac{2}{20k}=\frac{1}{10000}[A]\)

以上より

\(V_{out}=V_a+10k×I\)

 \(=V_a+1000+\frac{1}{10000}\)

 \(\color{red}{=6[V]}\)

問.14 難易度★★★

解説

各相の相電圧を\(\dot{E}_a\),\(\dot{E}_b\),\(\dot{E}_c\)

線電流を\(\dot{I}_a\),\(\dot{I}_b\),\(\dot{I}_c\)とすると

題意を示すベクトル図は上図の通り

よって、電力計の指示Pは

\(P=\dot{V}_{ca}\dot{I}_C×cos\frac{π}{6}=200×1.73×\frac{\sqrt{3}}{2}\)

 \(\color{red}{=300[W]}\)

問.15 難易度★★☆

解説

(a)

計器の指示値より皮相電力Sは

\(S=E×I=300×12.5=3750[V・A]\)

皮相電力S、有効電力P、無効電力Qの関係は下図の通り

よって無効電力Qは

\(Q=\sqrt{S^2-P^2}=\sqrt{3750^2-2250^2}\)

 \(\color{red}{=3000[kvar]}\)


(b)

無効電力Qは次式で表される

\(Q=\frac{E^2}{X}\)

よって誘導性リアクタンスXは

\(X=\frac{E^2}{Q}\)

 \(=\frac{300^2}{3000}\)

 \(\color{red}{=30[Ω]}\)

問.16 難易度★★☆

解説

1相分を取り出した回路図は下図の通り

(a)

有効電力P、無効電力Qは次式で表される

\(P=3×\frac{E^2}{R}\)

 \(=3×\frac{40000}{3}\)

 \(\color{red}{=40[kW]}\)

\(Q=3×\frac{E^2}{X}\)

 \(=3×\frac{40000}{3}×\frac{3}{4}\)

 \(\color{red}{=30[kvar]}\)


(b)

コンデンサ回路をΔ→Y変換して、1相分を取り出した回路は下図の通り

誘導性リアクタンスの無効電力\(Q_L\)は

\(Q_L=3×\frac{E^2}{X}\)

 \(=3×\frac{40000}{3}×\frac{3}{2}\)

 \(=60[kW]\)

題意より、図2と図1の無効電力は同じ値になるので、

\(Q=Q_L-Q_C\)

\(60=30-Q_C\)

\(Q_C=30[kvar]\)

図より

\(Q_C=3×\frac{E^2}{X_c}\)

 \(=3×\frac{40000}{3}×2πf3C\)

 \(=3×\frac{40000}{3}×942C\)=30000

\(C=0.00079[F]\)

 \(\frac{red}{C=800[μF]}\) 

問.17 難易度★★☆

解説

(a)

重力\(F_B\)と、クーロン力\(F_C\)の関係は上図の通り

BはAに近づくように上昇を始めるので

\(\color{red}{\frac{q_Aq_B}{4πε_0r^2}>m_Bg}\)


(b)

距離\(r\)とクーロン力\(F_C\)との積による位置エネルギー\(W_C\)と

初速度\(v_B\)の物体Bの運動エネルギー\(W_v\)の関係は以下の通り

\(W_C>W_v\)

\(W_C=F_C・r=\frac{q_Aq_B}{4πε_0r^2}・r\)

 \(=\frac{q_Aq_B}{4πε_0r}\)

\(W_v=\frac{1}{2}m_Bv_B^2\)

以上より

\(\color{red}{\frac{q_Aq_B}{4πε_0r}>\frac{1}{2}m_Bv_B^2}\)

問.18 難易度★★☆

解説

(a)

(1)○

(2)○

(3)○

(4)×

コイルのインダクタンスやコンデンサの静電容量値を小さくするためには、

スイッチSがオンとオフを繰り返す周期を短くする

(5)○


(b)

\(T_{on}\)時は\(v_L=E-V_0\)が成り立つ

よって

\(L\frac{ΔI}{Δt}=E-V_0\)

\(ΔI=\frac{(E-V_0)Δt}{L}\)

\(ΔI=ΔI_1,Δt=T{ON}\)を代入して

\(\color{red}{ΔI_1=\frac{(E-V_0)T_{ON}}{L}}\)



\(T_{OFF}\)時は\(v_L=V_0\)が成り立つので、

\(L\frac{ΔI}{Δt}=V_0\)より

\(ΔI=\frac{V_0Δt}{L}\)

\(ΔI=ΔI_2,Δt=T_{OFF}\)を代入して

\(ΔI_2=\frac{V_0T_{OFF}}{L}\)


題意より、\(ΔI_1=ΔI_2\)であるから

\(\frac{(E-V_0)T_{ON}}{L}=\frac{V_0T_{OFF}}{L}\)

\(\color{red}{V_0=\frac{T_{ON}E}{T_{ON}+T_{OFF}}}\)

合わせて読みたい

考書・過去問についてはこちらの記事に詳しく書きましたのでご参照ください。

必読
【2022年度版】電験三種おすすめ参考書・テキスト

💡電験三種のテキストを紹介します。電験三種のテキストで重要なのは中身のレベルです。初学者に ...

続きを見る

必読
【2022年度版】電験三種おすすめ過去問

💡資格試験で重要なのはこの「過去問」です。この第三種電気主任技術者試験においても同じです。 ...

続きを見る

© 2023 もちブログ Powered by AFFINGER5