【2015年】平成27年度試験 理論

問.1 難易度★★☆

解説



(1) ○

静電容量は下式で表される

\(C=\frac{εS}{d}\)

よって\(dを大きくすると、Cは減少する\)


(2)×

\(Q=CV\)・・・①

\(V=Ed\)・・・②

\(C=\frac{εS}{d}\)・・・③

①②③より

\(Q=\frac{εS}{d}・Ed=εSE\)

これを整理すると、

\(E=\frac{Q}{εS}\)

よって\(Q一定とき、Eはdに影響しない\)


(3)○

\(Q=CV=\frac{εS}{d}V\)

\(よってQ一定のときdを大きくすると、Vは上昇する\)


(4)○

\(V=Ed\)

\(よってV一定のとき、dを大きくすると、Eは減少する\)


(5)○

\(Q=CV=\frac{εS}{d}V\)

\(V=\frac{d}{εS}Q\)

\(よってV一定のとき、dを大きくすると、Qは減少する

問.2 難易度★★☆

解説

(ア)

静電容量\(Cは下式で表される\)

\(C=\frac{ε_0A}{d}\)


(イ)

\(Q=CV\)・・・①

\(V=Ed\)・・・②

①②より

\(E=\frac{V}{d}=\frac{Q}{Cd}=\frac{Q}{ε_0A}\)


(ウ)

静電エネルギーは下式で表される

\(W=\frac{1}{2}CV^2=\frac{1}{2}QV=\frac{1}{2}\frac{Q^2}{C}\)

 \(=\frac{1}{2}×\frac{dQ^2}{ε_0A}\)


(エ)

電極間隔を増大させると静電エネルギーは増大する

よって、2つの電極間には静電力の引力が働いていることがわかる

問.3 難易度★★☆

解説

(ア)

比透磁率が\(μ_rが1より非常に大きいものを強磁性体という


(イ)

透磁率の最大値は、グラフの曲線の最大勾配が大きい箇所で示される

\(μ_{max}=\frac{B}{H}\)より

 \(\color{red}{\frac{1.5}{2×10^2}=0.75×10^{-2}[H/m]}\)

(ウ)

強磁性体の比透磁率\(μ_r\)は

\(μ_r=\frac{μ_{max}}{μ_0}=\frac{7.5×10^{-3}}{4π×10^{-7}}=0.5971×10^4\)

 \(\color{red}{≒6.0×10^3}\)


(エ)

点P以降は磁界に対する磁束密度の増加が次第に緩くなり、磁束密度はほぼ一定の値となる。

この現象を磁気飽和という

問.4 難易度★☆☆

解説

題意より電源電圧からの分圧を考えると、\(60Ω\)の抵抗に印加される電圧を求めることができる

\(上図、60Ωにかかる電圧より回路に流れる電流は以下の通り\)

以上より、オームの法則を使って、\(R_1,R_2R_3\)の抵抗値を求める

\(\color{red}{R_1=\frac{30}{\frac{3}{4}}=40}\)

\(\color{red}{R_2=\frac{15}{\frac{2}{12}}=90}\)

\(\color{red}{R_3=\frac{10}{\frac{1}{12}}=120\)

問.5 難易度★★★

解説

三角形ループが平等磁界内に入るとき、下図のようになる

このとき、三角形ループは誘導起電力を発生させ、磁界の変化を妨げる方向に電流を流す

図2で示される電圧の正方向に対して、発生する誘導起電圧は負電圧となる

三角形ループが全て磁界内に入ると、PQとPRの誘導電圧の合計と、QRの誘導電圧が同じ大きさで互いに逆方向のため

全体を合成した誘導電圧は0となる

問.6 難易度★★☆

解説

流れる電流はスイッチの開閉に左右されないので、ブリッジ回路は平衡している

\(R_1R_4=R_2R_3\)

\(8R_4=4R_3\)

\(2R_4=R_3\)・・・①

回路全体の抵抗は

\(100=RI\)

 \(R=\frac{100}{30}=\frac{10}{3}\)

\(R_1~R_4\)の合成抵抗を求めると

\(\frac{10}{3}=\(frac{(8+2R_4)×(4+R_4)}{(8+2R_4)+(4+R_4)}

  \(=\frac{32+16R_4+2R_4^2\)

  \(40+10R_4=32+16R_4+2R_4^2\)

  \(2R_4^2+6R_4-8=0\)

  \(R_4^2+3R_4-4=0\)

上式の解を求めると

\((R_4+4)(R_4-1)=0\)

\(R_4=-4,1\)

ここで\(R_4>0\)であるから

\(R_4=1\)

①より

\(\color{red}{R_3=2[Ω]}\)

問.7 難易度★★☆

解説

(1)○

コンデンサが直列に接続された回路のコンデンサには、定常状態では電流が流れない

(2)○

コイルが直列に接続された回路のコイルの両端の電位差は定常状態では0である

(3)○

抵抗Rは下式で表される

\(R=\frac{ρl}{S}\)


(4)×

並列抵抗\(R_1,R_2)\)の合成抵抗\(R\)は下式で表される

\(\frac{1}{R}=\frac{1}{R}=\frac{1}{R_1}=\frac{1}{R_2}\)

よって、合成抵抗の値は、R_1,R_2の抵抗値の逆数の和の逆数である


(5)○

並列接続した2つのコンデンサ\(C_1,C_2の合成静電容量はC_1,C_2の静電容量の和である

問.8 難易度★☆☆

解説

題意より回路図は下図で表される

回路のインピーダンスの大きさ\(Z\)は

\(100=5×Z\)

\(Z=20\)

このときの誘導性リアクタンスX[Ω]は

\(Z^2=R^2+X^2\)

\(20^2=10^2+X^2\)

\(X=10\sqrt{3}\)

このとき、回路の力率\(cosθ\)は

\(cosθ=\frac{R}{Z}=\frac{10}{20}\)

 \(=0.5\)


回路の有効電力Pは

\(\color{red}{P=EIcosθ=100×5×0.5=250[W]}\)

問.9 難易度★★☆

解説

\(C_3とC_4\)の合成静電容量\(C_{34}\)は

\(C_{34}=\frac{C_3C_4}{C_3+C_4}=\frac{90000}{1000}=90μF\)

\(C_2とC_{34}\)の合成静電容量は\(C_{234}\)は

\(C_{234}=90+900=990[μ]\)

ここで、\(C_2にかかる電圧V_2\)は

\(V_2=\frac{C_1}{C_1+C_{234}}V_{in}=\frac{10}{10+990}=\frac{10}{1000}V_{in}\)

\(C_4にかかる電圧V_{out}\)は

\(V_{out}=\frac{C_3}{C_3+C_4}×V_2\)

 \(=\frac{100}{1000}×\frac{10}{1000}V_{in}\)

 \(\color{red}{=\frac{1}{1000}V_{in}}\)

問.10 難易度★☆☆

解説

RL直列回路の動作

・スイッチがONの瞬間\(t=0s\)のとき

 コイルには磁界の変化を妨げようとし、電源電圧と逆向きの逆起電力が発生する。

・定常状態のとき

 コイルは短絡状態と見なすことができるため逆起電力は0となる

RC直列回路の動作

・スイッチがONの瞬間\(t=0s\)のとき

 コンデンサは短絡状態と見なすことができる、

・定常状態のとき

 極板に電荷が蓄積し充電が完了すると、回路上では開放状態と見なすことができる。

上記より、解は(2)

問.11 難易度★★☆

解説

P形層とn形層に挟まれた層を活性層という

レーザダイオードに順電流を流すと、活性層の自由電子が正孔と再結合して消滅するとき光を放出する

光の特別な波長だけが共振状態となって誘導放出が誘起されるので、強い同位相のコヒーレントな光が得られる。

問.12 難易度★★★

解説

\(電子eは、F=eEの静電力を受ける\)

静電力\(Fにより生じるx軸方向の加速度αは、\)

\(F=mα=eE\)

\(α=\frac{eE}{m}\)・・・①

電子が偏向板を通過するのに要する時間\(t_1\)は

\(t_1=\frac{l}{v}\)・・・②

\(x軸方向の速度uは①②より\)

\(\color{red}{u=αt_1=\frac{elE}{mv}}\)


次に、\(z軸方向の距離dを通過するのに要する時間t_2\)

\(t_2=\frac{d}{v}\)

\(\color{red}{X=ut_2=\frac{eldE}{mv^2}}\)

問.13 難易度★★☆

解説

(1)×
コレクタ損失は、コレクタ電流\(I_Cとコレクタ・エミッタ間電圧V_{CE}との積で表される。\)

(2)○

(3)○

(4)○

(5)○

問.14 難易度★★☆

解説

目盛は正弦波の実行値として表示する

指示値=\(V_{av}×波形率\)

 \(=V_{av}×\frac{正弦波の実効値}{正弦波の平均値}\)

 \(=4×\frac{\frac{E_m}{\sqrt{2}}}{\frac{2E_m}{π}}=\sqrt{2}π\)

 \(\color{red}{≒4.44[V]}\)

問.15 難易度★★★

解説

(a)

実験Ⅰより次式が成り立つ

\(E_0=200×30×10^{-3}=6[V]\)

実験Ⅱのときa-c間の抵抗\(R_{ac}\)とc-b間の抵抗\(R{cb}\)は

\(R_{ac}=\frac{4.5cm}{15cm}×30=9[Ω]\)

\(R_{cb}=\frac{10.5cm}{15cm}×30=21[Ω]\)

ここで、電池\(E_xの内部抵抗R_xがあると仮定して、R_xを切り離した回路図が下図の通り

a-d間に現れる\(電圧V_{da}は\)

\(V_d=V_c+E_x=\frac{21}{9+21}E_0+E_x\)

 \(=4.2+E_x\)・・・①

\(V_a=E_0=6\)・・・②

①②より

\(V_{da}=V_d-V_a=E_x+4.2-6=e_x-1.8\)

\(R_x\)に電流が流れないので、\(V_da=0V\)とおくと、

\(\color{red}{E_x=1.8[V]}\)


(b)

実験Ⅲの回路図は下図の通り

\(E_x=50×10^{-3}(30+R_x)\)

 \(30+R_x=\frac{E_x}{50×10^{-3}}=\frac{1.8}{50×10^{-3}\)

\(\color{red}{R_x=\frac{1.8}{50×10{-3}-30=6[Ω]}\)

問.16 難易度★★☆

解説

(a)

容量性リアクタンスをΔ→Y変換した時の関係性は

\(X_{CY}=\frac{1}{3}X_{CΔ}=\frac{1}{ω3C_Δ}=\frac{1}{ωC}\)

よって

\(\color{red}{C=3C_Δ=3×3=9[μF]}\)



(b)

(a)よりY結線に変換したときの回路図は下図の通り

これの合成静電容量を求める

\(C_{abe}=\frac{9×9}{9+9}=4.5\)・・・①

\(C_{ace}=\frac{18×9}{18+9}=6\)・・・②

①②より

\(C_{ae}=C_{abe}+C_{ace}=10.5\)

よって合成静電容量Cは

\(C=\frac{C{ae}×C{ed}}{C{ae}+C{ed}}\)

 \(\color{red}{≒4.8[μF]}\)

問.17 難易度★★★

解説

(a)

電圧の実効値を\E_aとすると、\)

\(E_a=\sqrt{2}E_a×sinωt\)

 \(=100\sqrt{6}sin100πt\)

上式より

\(E_a=\frac{100\sqrt{6}}{\sqrt{2}}=100\sqrt{3}\)

\(ω=100π\)

誘導性リアクタンス\(X_L\)は

\(X_L=ωL=100π×16×10^{-3}\)

 \(=5.024[Ω]\)

1相分の回路図は下図の通り

回路のインピーダンス\(Z\) は

\(Z^2=R^2+X_L^2\)

 \(=25+25.24\)

\(Z=7.088\)

このとき流れる電流\(I\)は

\(I=\frac{100}{7.088}=14.108\)

よって三相電力Pは

\(P=3RI^2\)

\(=3×5×14.108^2\)

 \(\color{red}{≒3[kw]}\)


(b)

電源の線間電圧に対して、電源の相電圧は30°位相が遅れている

このことから、電源の相電圧と線電流は同相の関係であることがいえる。

これは、負荷インピーダンスのリアクタンス分が0と解釈することができる

1相分の等価回路は下図の通り

\(\dot{Y}=\frac{1}{R+jωL}+jω3C=0\)

 \(=\frac{R-jωL}{(R+jωL)(R-jωL)}+jω3C=0\)

 \(=\frac{R-jωL}{R^2+(ωL)^2}+jω3C=0\)

 \(=\frac{R}{R^2+(ωL)^2}+j(ω3C-\frac{ωL}{R^2+(ωL)^2}\)

リアクタンス分が0であるから、

\(ω3C=\frac{ωL}{R^2+(ωL)^2}\)

\(C=\frac{1}{300π}×\frac{5.024}{5^2+5.024^2}\)

 \(\color{red}{=1.1×10^{-4}[f]}\)

問.18 難易度★★★

解説

(a)

演算増幅器は、その2つの入力端子に加えられた信号の差動成分を高い利得で増幅する回路である

演算増幅器の入力インピーダンスは極めて大きいため、入力端子電流はほぼ零とみんして良い。

一方、演算増幅器の出力インピーダンスは非常に小さいため、その出力端子電圧は負荷による影響を受けにくい


(b)

理想的なオペアンプはa点、d点は0Vとなる(仮想短絡)

\(I_1=\frac{0-0.5}{20×10^3}\)

\(V_c=\frac{100×10^3}{20×10^3}×(-0.5)=-2.5[V]\)

上図より

\(I_2=\frac{V_0-0}{90×10^3}=\frac{0-(-2.5)}{30×10^3}\)

\(V_0=\frac{90×10^3}{30×10^3}×2.5=7.5V\)

電圧利得\(A_v\)を求める公式より

\(A_v=20log_{10}\frac{V_0}{V_1}=20log_{10}\frac{7.5}{0.5}\)

 \(=20log_{10}\frac{3×10}{2}\)

 \(=20(log_{10}15+log_{10}3-log_{10}2)\)

 \(=20(1+0.477-0.301)\)

 \(\color{red}{≒24[dB]}\)

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