もくじ
問.1 難易度★★★


解説

上図よりxy座標上の電位Vは
\(V=\frac{2Q}{4πε_0r_A}+\frac{-Q}{4πε_0r_B}\)
\(=\frac{Q}{4πε_0}(\frac{2}{r_A}+\frac{-1}{r_B})\)
\(=\frac{Q}{4πε_0}(\frac{2}{\sqrt{(2d-x)^2+y^2}}+{\frac{-1}{\sqrt{(d+x)^2+y^2}}})\)
題意より電位0の条件は
\(=\frac{2}{\sqrt{(2d-x)^2+y^2}}+{\frac{-1}{\sqrt{(d+x)^2+y^2}}}=0\)
\(=\frac{4}{(2d-x)^2+y^2}=\frac{-1}{(d+x)^2+y^2}\)
\(=4d^2+8dx+4x^2+4y^2=4d^2-4dx+x^2+y^2\)
\(3x^2+12dx+3y^2=0\)
\((x+2d)^2+y^2=(2d)^2\)
以上より、\(-2d\)を中心とした半径\(2d\)の円となるため、(4)が解となる。
問.2 難易度★☆☆

解説
題意よりイメージは下図の通り

(a)
平行平板コンデンサ内の電界の大きさは
\(V=Ed\)
で表されるから、極板間の電位は、極板Aからの距離に対して比例の関係で変化する。よって間違い
(b)
平行平板コンデンサ上には電荷が同様に分布している。
これにより、電気力線も平行に一様に分布する。
電界の強さは、単位面積あたりの電気力線の密度で表されるから、
極板間はどこでも電界の大きさは一定となる。よって正しい
(c)
上図および(b)より、正しい
(d)
電気力線は極板に対して垂直である。よって正しい
問.3 難易度★☆☆

解説
半円形部分に着目する
ここで、円形コイルの中心の磁界の大きさ\(H[A/m]\)は以下のように表される。

問題は半円であるから、磁界の大きさも半分となるため、
\(\color{red}{H=\frac{I}{4r}}\) となる
問.4 難易度★★☆

解説
磁束の流れは以下の通り

磁束は磁気抵抗が低いところを通ろうとするので、上図のようになる。
鉄心の中はほとんど磁束は通らない。
よって、NからSに向かう磁束は、鉄心を避けて通るようになる。
このとき、球体鉄心の中空部分の点Aでは、磁束密度は極めて低くなる。これを磁気遮蔽という。
ポイント
磁気遮蔽:計測器や電子装置を強磁性体で囲むことで、外部磁界の影響を受けないようにする電磁シールドの原理と同様
問.5 難易度★★★

解説
重ね合わせの理でも解を導くことができますが、ここではテブナンの定理を用いるのが効率的です。
下図のように、回路の一部を切り離し、切り離した側の電圧\(E_0\)を考える。

回路は\(E=9V\)の並列回路であることから、
\(E=E_0=9V\)・・・①
また、切り離した側から見た抵抗\(r_0\)は
\(\frac{1}{r_0}=\frac{1}{r}+\frac{1}{r}+\frac{1}{r}+\frac{1}{r}\)
\(=\frac{1}{r_0}=\frac{1}{0.1}+\frac{1}{0.1}+\frac{1}{0.1}+\frac{1}{0.1}\)
\(=\frac{1}{r_0}=40\)
\(r_0=\frac{1}{40}\)・・・②
①②より、下図の回路に変換することができる。

\(E_0=(R+r_0)I\)
\(9=(0.5+\frac{1}{40})I\)
\(I=17.14[A]\)
よって抵抗\(R\)で消費される電力 \(P\)は
\(P=RI^2\)
\(=0.5×17.14^2\)
\(\color{red}{146.8[W]}\)
問.6 難易度★★★

解説
右側並列回路の合成抵抗を求める
\(R=\frac{100×(150+200)}{100+(150+200)}=77.77≒77.8[Ω]\)

同様に右側並列回路の合成抵抗を求める
\(R=\frac{200×(150+78)}{200+(150+78)}\)
\(=106.5[Ω]\)

ここで、電流\(I_1\)は
\(9=106.5×I_1\)
\(I_1=0.0469≒0.05\)・・・①
\(I_1\)が求められたので、次に右側回路の分流を求める
\(\acute{I_1}=0.05×\frac{200}{200+228}=0.023[Ω]\)

\(I_2=0.023×\frac{100}{150+200}=0.005\)・・・②

①②より
\(\color{red}{\frac{I_2}{I_1}=\frac{0.005}{0.05}=0.01}\)
問.7 難易度★☆☆

解説
右側並列回路の合成静電容量は\(C+C=2C\)

コンデンサに印加される電圧\(V_1,V_2\)は
\(V_1=\frac{2C}{C+2C}V_m=\frac{2}{3}V_m\)
\(V_2=\frac{C}{C+2C}V_m=\frac{1}{3}V_m\)

全てのコンデンサの電圧を500V以下にする必要があるので、\(V_1\)に着目する
\(\frac{2}{3}V_m≦500\)
\(\color{red}{V_m≦750}\)
問.8 難易度★☆☆

解説
(1)×
オームの法則より
\(V=RI\)
よって均一の物質から成る導線の両端の電位差を\(V\)とするとき、これに流れる定常電流\(I\)は\(V\)に比例する
(2)×
クーロンの法則より静電力の大きさ\(F\)は
\(F=\frac{1}{4πε_0}\frac{Q_1Q_2}{r^2}\)
よって二つの点電荷の間に働く静電力の大きさは、両電荷の積に比例し、電荷間の距離の2乗に反比例する
(3)×
導体内に流れる電流によって発生する熱量は、
\(P=RI^2\)
よって導体内に流れる定常電流によって単位時間中に発生する熱量は、電流の値の2乗と導体の抵抗に比例する
(4)×
フレミング右手の法則は、
中指・・・誘導起電力
人差し指・・・磁界の向き
親指・・・運動の向き
となる。
(5)◯
問.9 難易度★★★

解説

(1)直列共振角周波数\(ω_1\)
並列部分の合成インピーダンス\(\dot{Z_1}\)は
\(\dot{Z_1}=\frac{1}{\frac{1}{X_C}+\frac{1}{X_L}}=\frac{1}{jωC+\frac{1}{jωL_2}}\)
よって全体の回路インピーダンス\(Z\)は
\(\dot{Z}=R+jωL_1+Z_1\)
\(=R+jωL_1+\frac{1}{jωC+\frac{1}{jωL_2}}\)
\(=R+jωL_1+\frac{jωL_2}{1-ω^2L_2C}\)
\(=R+jω(L_1+\frac{L_2}{1-ω^2L_2C})\)
回路のインピーダンスが極めて小さくなるのは、虚数部が0の時であるから
\(L_1+\frac{L_2}{1-ω^2L_2C}=0\)
\(L_1=\frac{-L_2}{1-ω^2L_2C}\)
\(L_1(1-ω^2L_2C)=-L_2\)
\(ω^2=\frac{L_1+L_2}{L_1L_2C}\)
\(ω=\sqrt{\frac{L_1+L_2}{L_1L_2C}}\)
題意の数値を代入して
\(\color{red}{ω=3.1×10^4[rad/s]}\)
(2)並列共振角周波数\(ω_2\)
回路のインピーダンスが極めて大きくなるのは並列回路部分が並列共振すれば良い
共振条件\(X_L=X_C\)より
\(ωL_2=\frac{1}{ωC}\)
\(ω^2LC=1\)
\(ω=\frac{1}{L_2C}\)
題意の数値を代入して
\(\color{red}{=2.5×10^4[rad/s]}\)
問.10 難易度★★★

解説
(5)×

スイッチを1側にしてコンデンサを十分に受電すると、コンデンサには電荷が蓄積され、
\(v_c=V\)となる
時刻\(t=0s\)における回路の電流\(i\)は
\(i=-\frac{E}{R}\) (電流の向きに注意)
よって回路の電流\(i\)は\(C\)の値に関係しない
問.11 難易度★★☆

解説
(2)×
半導体は外部から熱を加えられ、温度が上昇すると、電気抵抗が小さくなり、電流が流れやすくなります。
問.12 難易度★★★

解説
(ア)
題意より、荷電粒子を微小な長さ\(Δl[m]\)をもつ線分とみなせると仮定して、
この線分が長さ方向に速度\(v\)で動くとき、電流\(I\)は
\(I=\frac{vq}{Δl}\)・・・①
この電流が受ける電磁力\(F\)は
\(F=BIΔlsinθ\)・・・②
①を②に代入して
\(\color{red}{F=qvBsinθ[N]}\)
(イ)
フレミング左手の法則
中指・・・電流の向き
人差し指・・・磁界
親指・・・電磁力
(ウ)
フレミング左手の法則より磁界と平行方向に放った電子は
進行方向を前方とすれば、右方向にローレンツ力を受ける
この時、電子の向きと、電流の向きが逆になることに注意する。
(フレミング左手の法則でいう、中指の向きに注意)

(エ)
電子を放った後は、右方向にローレンツ力、左方向に遠心力を受け、
これが釣り合った状態で等速円運動をする
問.13 難易度★★☆

解説
題意より回路図は下記の通り

ここで入力電圧\(V_i\)は
\(V_i=i_bh_{ie}\)・・・①
出力電圧\(V_o\)は
\(V_o=i_cR_L=i_bh_{fe}R_L\)・・・②
①②より
\(\left|\frac{V_o}{V_i}\right|=\frac{h_fe}{h_ie}R_L\)
題意より電圧利得40dBdあるから、
\(G=20log_{10}\left|\frac{V_o}{V_i}\right|\)
\(=20log_{10}\frac{h_{fe}}{h_{ie}}R_L=40\)
上式より、\(frac{h_{fe}{h_{ie}}R_L=100\)
\(h_{ie}=\frac{100}{100}×1000=1000[Ω]\)
①より
\(10×10^{-3}=i_b×1000\)
\(\color{red}{i_b=10×10^{-6}}\)
問.14 難易度★★★

解説
(2)×
デジタルオシロスコープでは、周期性のない信号波形を測定することができる。
ポイント
デジタルオシロスコープは、観測信号をアナログ入力からデジタル信号に変換し、これをさらにアナログ信号に戻してブラウン管に表示させます
半導体メモリに記憶するため波形を半永久的に記憶することができます。
問.15 難易度★★★

解説
(a)
Δ→Y変換後、一相分を取り出して、断線前の電流Iを求める。
一相分を取り出した回路図は下記の通り

\(\frac{V}{\sqrt{3}}=(r+\frac{1}{3}r)I_Y\)
\(I_Y=\frac{\sqrt{3}V}{4r}\)
相電流\(I\)と線電流\(I_Y\)の関係は
\(I=\frac{1}{\sqrt{3}}I_Y=\frac{V}{4r}\)・・・①
次に、断線後の回路は下図の通り

\(V=(r+\frac{2}{3}+r)I_Δ\)
\(I_Δ=\frac{3V}{8r}\)
\(I'=\frac{1}{3}I_Δ\)
\(=\frac{V}{8r}\)・・・②
①②より断線前後の電流の大きさは
\(\color{red}{\frac{I'}{I}=\frac{\frac{V}{8r}}{\frac{V}{4r}}=\frac{1}{2}=0.5(倍)}\)
(b)
各相電圧、線電圧のベクトル図を下記に示す
電線点の負荷側電位は\(V_{ca}\)間の負荷を二等分した中点\(m\)となる
一方、断線点の電源側電圧は\(\dot{E_b}\)
よって、断線点の電圧の大きさ\(V'\)は
\(V'=Vcos\frac{π}{6}=\frac{\sqrt{3}}{2}V\)
よって
\(\color{red}{\frac{V'}{V}=\frac{\frac{\sqrt{3}}{2}}{V}V=0.87}\)

問.16 難易度★☆☆


解説
(a)
抵抗\(R\)の測定値は
\(R=\frac{V}{I}=\frac{50}{1.6}=31.25[Ω]\)
絶対誤差は
\(\color{red}{31.25-31.21=0.04[Ω]}\)
(b)
絶対誤差の真の値に対する比率を相対誤差
よって
\(\color{red}{\frac{0.04}{31.21}=0.13[%]}\)
ポイント
出題数が少ない電気測定に関する問題です。
こういったレア問題は簡単に解けるケースがほとんどです。
見たことがないから諦めるのはもったいないです。シンプルに考えることが大切
問.17 難易度★★☆


解説
(a)

右側平板電極の間隔を\(x=d\)とすると、図より
\(C=C_1+C_2=\frac{εA_1}{d}+\frac{εA_2}{d}\)
\(=ε(\frac{10^{-3}}{10^{-3}}+\frac{10^{-2}}{10^{-3}})=11ε\)
合計電荷\(Q\)は
\(\color{red}{Q=CV=11ε×1000=9.7×10^{-8}[C]}\)
(b)
(a)で求めた2つのコンデンサに蓄えられた合計電荷\(Q\)は変わらない
題意より、絶縁破壊する電圧\(V\)は
\(V=\frac{Q}{C_1+C_2}\)
\(=\frac{11ε×1000}{\frac{ε×10^{-3}}{10^{-3}}+\frac{ε×10^{-2}}{3×10^{-3}}}\)
\(=\frac{3×11×10^3}{3+10}\)
\(\color{red}{≒2.5×10^3[V]}\)
ポイント
コンデンサの間隔\(x\)を増加させると、\(C_2\)は小さくなり、蓄える電荷も小さくなる
\(C_2\)に蓄えられていた一部の電荷は\(C_1\)に移動する。
\(C_1\)の電荷は徐々に増加し、耐電圧を超えると絶縁破壊する
問.18 難易度★★★


解説
(a)

変調波\(m\)は
\(m=\frac{A-B}{A+B}\)・・・①
ここで上図より
\(A=\frac{3}{2}a×2=3a\)・・・②
\(B=\frac{1}{2}a×2=a\)・・・③
②③を①に代入して
\(\color{red}{m=\frac{3a-a}{3a+a}=0.5}\)
(b)
コンデンサC[F]と抵抗R[Ω]を並列接続した合成インピーダンスの両端電圧に求められることは、
信号波の成分があることと、搬送波の成分がなくなることである。
そこで合成インピーダンスの大きさは、信号波に対してほぼ抵抗R[Ω]となり、
搬送波の周波数に対して十分に小さくなくてはならない。
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